第27回の冠疾患学会学術集会の内科系会長を拝命しています和歌山県立医科大学循環器内科の赤阪隆史です。外科系会長である本学第一外科の岡村吉隆教授とともに同一施設で和歌山という地方で本学会を開催させていただくことを大変光栄に存じております。
昨今のインターベンション治療の進歩によって、冠疾患に限らず循環器の多くの領域で内科と外科の治療領域が重なり、生命予後の改善には両者の協力が必要不可欠な時代となってきており、冠動脈疾患治療のガイドラインには「Heart Team」による検討という文言まで記載されるようになってきております。このような考え方は、本学の偉大な祖とされる華岡青洲の「内外合一・活物窮理」(内科と外科を区別せず、机上の空論ではなく実験や実証を重んじる)という医療理念にすでに述べられています。当時の内科は漢方医学、外科はオランダ医学のことですが、現代でいう「内外合一」とは「内科外科の区別なく、両者の英知を絞って患者さんの治療にあたるべきである」という広い理念と解釈され、今回の学術集会のテーマは「内外合一:ハートチームの絆」とさせていただきました。循環器領域に限らず、現代の治療は内科・外科の医師の協力だけでなく、ナース・コメディカルを含めた病院全体のチームにくわえて、コミュニティをふくめた社会全体のチームの協力が必要な時代となってきております。このような背景から、今回の学術集会では冠動脈疾患治療における「内外合一」のあり方を考えていただき、「ハートチームの絆」の大切さを感じ取っていただけるような企画を数多く考えたいと思っております。
前回の第26回学術集会は、新旧の理事長が会長を務められ、「Heart Teamの構築」というテーマで、新しい企画が試みられ、話題も豊富で大盛会でした。今回は、和歌山という地方都市での開催ですが、同一施設での内科系・外科系の会長という利点を生かして、「構築されたHeart Team」の絆が大きく発展できるような「内外合一」の学術集会となるよう務めますので、会員の皆様の御協力・御参加を何卒よろしくお願い申し上げます。
和歌山県立医科大学循環器内科
内科系会長 赤阪隆史
第27回の冠疾患学会学術集会の外科系会長を務めさせていただきます和歌山県立医科大学第一外科の岡村吉隆です。同一施設からの内科系・外科系会長を認めていただき、また和歌山での地方開催に賛同していただいたことを深く感謝しています。
昨年は、新旧の理事長コンビで新しい試みも多くなされ盛会でした。今回も内科系会長の赤阪隆史教授と協力してご期待に添えるような学術集会を催せるよう努力しますのでよろしくお願いします。
今回のテーマは「内外合一 -ハートチームの絆-」としました。
和歌山が生んだ偉人の華岡青洲が残した「活物窮理 内外合一」にちなんだ言葉です。
内外合一とは、「外科を行うには内科の知識と患者さんの全身状態を十分に把握したうえで治療すべきである」と言う意味ですが、「内科と外科が力を合わせて患者さんのために一つになって尽くす」と言う意味にも解釈できます。
優れたハートチームを作るには、単に協力し合うだけでなく、切磋琢磨することが重要です。お互いに専門分野での治療技術を磨き、経験を積み、後継者を育てることも重要です。
昨年、外科系の落会長が「冠動脈外科技術講習会」を開催され好評でしたがまさに前述の目的に合致しています。今回も皆様の意見を取り入れながら踏襲していく予定です。
大都市に比べて多少、交通は不便ですが、新大阪駅や関西空港から1時間前後でのアクセスです。世界遺産や温泉、海の幸なども身近ですので、是非、ご参加ください。
12月13、14日、和歌山でお会いできることを願っています。
和歌山県立医科大学第一外科
外科系会長 岡村吉隆